長年のリサーチ、会社のアーカイブの公開、そして現代の目撃者へのインタビューが、21世紀で最も革新的でエキサイティングなテクノロジー企業のひとつであるNAGRAについての本書の基礎となっている。

しかし、それが可能になったのは、著者がウィーンでおそらく世界最大のNAGRA装置コレクションにアクセスできたからにほかならない。

その結果、クデルスキー・ファミリーが公認した、これほど包括的で完全な形で存在したことのない会社の歴史が誕生した。

NAGRAの歴史は、ラジオ、映画、テレビ用のプロフェッショナルなサウンド・レコーディングの発展と密接に結びついている。

同社はその発展の過程で、特に録音装置の小型化によって、当局や諜報機関と密接な接触を繰り返していた。この分野では、当然のことながら、情報政策に慎重であったため、今日でも流布している伝説や神話が繰り返し生み出されてきた。これらの伝承のいくつかはここで確認され、他の多くは反論されている。

本書は高水準の図版を多用し、未発表の図版も多数掲載されている。